退職者の悪い口コミが採用を止める|求職者の約半数が口コミで応募・選考を辞退

お役立ち情報

2026/11/01

採用に力を入れているのに、応募が集まらない、内定を出しても辞退される。そんな悩みの背景に、退職者の口コミが潜んでいるかもしれません。

求職者は応募前に、企業口コミサイトで「実際に働いた人の声」を確認するのが当たり前になりました。不満を抱えたまま辞めた社員の声は、長い間、採用の入口で静かに候補者を遠ざけ続けます。

求職者の約半数が、口コミで応募を取りやめている

口コミ確認者の48.0%に「離脱」の経験

ビジネスパーソンに企業口コミの活用動向をたずねた『日本の人事部』の調査によると、企業口コミサイトの書き込みを確認し、応募や選考・内定を辞退したことがある人は、回答者の48.0%にのぼります。

内訳は、「応募をやめた」が34.5%、「選考途中で辞退した」が11.2%、「内定を辞退した」が2.3%です。口コミを確認した人の約半数が、何らかの形で候補から外れていることになります。

図: 口コミを確認して応募・選考・内定を辞退した経験(出典:『日本の人事部』)

応募の入口で候補者が消えるということ

注目すべきは、最も多いのが「応募をやめた」の34.5%である点です。これは採用担当者がそもそも存在に気づけない離脱です。応募数そのものが減るため、「最近応募が少ない気がする」という形でしか現れません。原因が口コミにあると気づかないまま、募集広告への投資だけが増えていく、という事態も起こり得ます。

求職者の8割以上が、転職活動で口コミを確認している

ワークポート調査では83.8%が「確認する」

転職エージェント「ワークポート」が2026年に実施した調査では、転職活動で企業口コミを確認する人は83.8%に達しました。10人中8人以上が口コミを見てから応募を判断している計算です。

図: 転職活動で企業口コミを確認する求職者の割合(出典: ワークポート調査 2026年)

エン・ジャパン調査では67%が「応募を辞めた」経験

エン・ジャパンの調査でも、企業口コミサイトを見る人の67%が口コミをきっかけに応募を辞めた経験があるとされています。調査によって数字には幅がありますが、「口コミが応募行動に大きく影響する」という方向性は共通しています。

自社の口コミは「例外」ではない

「うちは口コミが少ないから関係ない」とは限りません。そもそも口コミがほとんど書かれていない企業は、求職者から見れば情報が少なく、不安材料になります。また、口コミはネガティブな体験をした人ほど書き込みやすい傾向があり、退職者の不満が可視化されやすい構造があります。少ない口コミの中に強い不満が1件あるだけで、応募をためらう候補者は少なくありません。

なぜ退職者の口コミは効くのか

本音として受け取られる

企業が発信する採用情報は「会社の言い分」として割り引かれますが、退職者の口コミは「現場の本音」として受け取られます。公式情報よりも利害関係のない第三者の声を信頼するのは、求職者に限らず消費者全般に共通する心理です。

求職者が知りたいのは「働き方の実態」

求職者が口コミで確認したいのは、給与や制度そのものよりも、残業の実態、上司との関係、職場の雰囲気といった「入ってみなければ分からない情報」です。まさに退職者が実体験として語れる内容であり、公式の採用ページでは代替できません。

ネガティブな情報は強く残る

同じ件数の口コミでも、ポジティブな内容よりネガティブな内容のほうが印象に残りやすく、意思決定への影響も大きいとされています。しかも口コミは検索すれば長期間残り続けるため、一度ついた悪い評価は、採用活動のたびに効いてきます。退職の瞬間に生まれた不満が、その後何年も採用コストを押し上げる構造です。

音として社内にも伝わる

口コミの影響は社外だけにとどまりません。在籍中の社員が自社の悪い口コミを目にすれば、「この会社は外からこう見られている」という認識が広がり、エンゲージメントの低下につながることもあります。口コミ対策は採用だけの問題ではないのです。

悪い口コミが採用にもたらす具体的影響

応募数の減少と採用コストの増大

応募が減れば、同じ人数を採用するために、より多くの募集広告費や人材紹介の利用が必要になります。紹介会社経由の採用では手数料がさらにかさみ、採用単価は上昇します。口コミによる採用毀損は、見えにくい形で採用コストを押し上げ続ける要因です。

ミスマッチと早期離職の悪循環

口コミで敬遠されるのは、情報を丁寧に確認するタイプの候補者です。結果として、十分に調べずに応募する層の比率が上がり、入社後のミスマッチや早期離職が増えるリスクが高まります。早期離職が増えれば、また新たな不満と口コミが生まれる。悪い口コミは、次の悪い口コミを生む悪循環の起点になり得ます。

選考・内定辞退による工数ロス

選考途中や内定段階での辞退は、面接や調整に費やした工数がそのまま無駄になります。『日本の人事部』の調査でも、選考辞退11.2%、内定辞退2.3%と、後工程での離脱が確認されています。採用担当者の工数は有限であり、このロスは採用計画全体の遅れにもつながります。

ブランドと取引への波及

企業口コミは求職者だけが見ているわけではありません。取引先や顧客が検索で目にする機会もあります。「社員を大切にしない会社」という印象は、採用の枠を超えて企業ブランド全体に波及し得ます。

自社でできる対策

今日から見直したいチェックリスト

口コミそのものを消すことはできません。対策の中心は「不満を抱えたまま辞める社員を減らすこと」と「口コミへの誠実な向き合い方」です。

口コミへの返信は「見ている求職者」に向けたもの

投稿された口コミには、企業として誠実に返信することが有効です。返信の相手は投稿者本人だけではありません。そのやり取りを読む求職者全員が、「この会社は声に耳を傾ける会社か」を見ています。反論や言い訳ではなく、指摘への感謝と改善への姿勢を示すことが、信頼回復の第一歩になります。

本質的な対策は「辞め方」ではなく「辞める前」

ただし、返信や採用ページの改善は対症療法です。本質的には、不満を募らせたまま退職する社員を減らすことが欠かせません。不満は退職の数か月前から、残業時間やアンケートの回答といったデータに表れ始めます。兆候の段階で面談や業務調整のフォローができれば、退職そのものを防げる可能性があり、仮に退職に至っても「会社は向き合ってくれた」という受け止めが残りやすくなります。

よくある誤解と注意点

誤解1「口コミは削除・操作できる」

口コミサイトの投稿は、原則として企業側が自由に削除することはできません。また、社員に良い口コミの投稿を依頼するような行為は、発覚した場合の炎上リスクが大きく、かえって信頼を損ないます。「書かせない・消す」方向の対策は、現実的ではありません。

誤解2「大企業の話で、中小には関係ない」

むしろ逆です。採用人数が少ない中小・中堅企業では、1人の辞退が採用計画に与える影響が大きく、母集団形成の段階で候補者を失う痛手も相対的に大きくなります。口コミの絶対数が少なくても、内容の影響力は変わりません。

注意点: 調査ごとに定義と対象が異なる

本記事で紹介した数字は、調査主体・対象者・設問の定義によって異なります。48.0%は口コミを「確認した人」の中の辞退経験、83.8%は転職活動での確認有無、67%は口コミサイト利用者の応募辞退経験です。それぞれ前提が違うため、単純な比較や合算はできません。自社の状況を測る場合は、まず自社の口コミと応募データを直接確認することをおすすめします。

SENTENO離職対策で不満の兆候を早期に捉える

勤怠データ×アンケートをAIが分析

SENTENO離職対策は、勤怠データとアンケート(サーベイ)をAIが分析し、離職の兆候がある社員を自動でピックアップする離職対策サービスです。不満はまず、残業時間の増加やアンケートでの意欲低下といった、目に見える変化として表れます。その変化を管理職の勘や偶然に頼らず、データで捉えることが、悪い口コミを生まないための出発点です。

兆候が出た社員への声かけまで提案

ピックアップした社員に対し、AIが声かけの内容まで提案します。「気づいても、どう声をかければよいか分からない」という管理職の負担を減らし、兆候の段階でフォローに入れる体制を作ります。分析結果の読み解きは不要で、人事の専任担当者がいない企業でも運用できます。

料金

料金は従業員数に応じて個別にご案内しています。詳しくは資料請求にてご案内します。採用が1件増えるごとに紹介手数料や広告費がかかることを考えれば、口コミで候補者を失わない体制づくりは十分に投資価値があります。まず自社の現状を知りたい方は、無料の「離職コスト診断」で離職による損失額を試算してみてください。

まとめ

求職者の8割以上が転職活動で企業口コミを確認し、確認した人の約半数が応募・選考・内定の辞退を経験しています。退職者の悪い口コミは、応募数の減少、採用コストの増大、早期離職の悪循環など、採用に静かで大きな影響を与え続けます。

口コミは削除も操作もできません。だからこそ対策は、口コミが書かれた後ではなく、社員が不満を抱えて退職する前にあります。退職の兆候をデータで早期に捉え、フォローできる体制を作ることが、採用を守る最も確実な方法です。

その第一歩として、まずは自社の口コミサイトの掲載内容と、直近の退職理由の傾向を確認してみてください。現状が見えれば、打つべき手も見えてきます。

出典

『日本の人事部』「企業口コミサイトの書き込みで応募・選考・内定を辞退した経験」 https://jinjibu.jp/do/research/detail/id=440/

エン・ジャパン調査(同記事内の引用) https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/20190625.html

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